ペン回しと勉強
論文的なものを書きます。
ペン回しを趣味としている人、いわゆるペンスピナーは恐らく一度は経験したことがあるであろう「そんなことしてないで勉強しろ」という心無い言葉。
私も経験がありますし、そういういじられ方をされる場合もあります(正直本気でやめて欲しい)。一応ちゃんとした大学は出ています。
そこで、ペン回し=勉強ができない になってしまう理由とそれを否定する理論を考えてみました。
- 1.なぜ ペン回し=勉強できない というイメージになってしまうのか
理由は至極単純です。ペン一本さえあれば出来てしまうので勉強中にも授業中にでも出来てしまうため、(実際にそうでなくても)勉強に集中していないように見られてしまうためです。
では、「ペン回しをすること」は勉強することに直接の弊害があるのか。このことに関して、今から書いていきたいと思います。
- 2.Fidget toy
最近ハンドスピナーというおもちゃが流行っているのはご存知でしょうか?中心にベアリングが内蔵されており、その周りに2~4枚程の羽がついている形状で、指で弾いてただ回すだけのおもちゃです。
https://addictivefidgettoys.com/
この系統のおもちゃをFidget toy(フィジェット トイ)と呼びます。
fidget – そわそわする、もじもじする、せかせかする – weblio英和辞典
ハンドスピナーの他にもFidget cubeやFidgi penなどがあります。
これらFidget toyが想定する使用方法として、上記リンクの文言を引用してみます。
For some people, fidget spinner toys can provide a sense of comfort and peace in stressful situations. They can also provide a way to concentrate during a dull meeting.
ざっと訳すと”ストレスフルな状況で快適さと平穏を、退屈な会議で集中する方法を提供します”という感じ(間違っていたら恥ずかしいのでこっそり教えて下さい)。つまり仕事や勉強するうえで集中するために使用して下さい、という名目で売り出されているんです。
では、手元で何かを扱うことはなぜ集中に繋がるのでしょうか。
- 3.指先と脳の関係
指先を動かすことは脳の活性化に繋がることはとうの昔に証明されています。脳科学者 ワイルダー・ペンフィールドの残した”ペンフィールドの地図・ペンフィールドのホムンクルス”や、哲学者 イマヌエル・カントの残したとされる言葉”手は外部の脳である”(カントは哲学者であり、この言葉は手を使うことによって人の愛情を確かめることが出来るという解釈もできるため、微妙)など、手と脳が密接な関係を示していることは古くから言われていることです。特にペンフィールドの研究は人間の脳に直接電極を当てるという直接的な方法を行っており、科学的な根拠には十分だと思います。
つまり手・指先を動かすことは脳に良い刺激を与えることができるということであり、幼少の頃に指先を使う運動を行うことで頭が良くなるということも言われています。
ここまでの情報があれば、ペン回しも見る角度が変わってくると思います。あれだけ指先を動かす技は他にないと言っても過言ではありません。つまり ペン回し=指先を使う=脳の活性化に繋がる という式が成り立ちます。
- 4.まとめ
ペン回しは脳の活性化に繋がります。これを用いれば今後増え続けるであろう高齢者向けのレクリエーションとしても取り入れることが出来るかもしれません。そうなるとペン回しに意義が出来てきます。現在私は「オフィスポ」事業で近いことをやっていますので、もっと推し進めて行きたいと考えています。
そして、重要なことを最後に書きます。ペン回しが脳の活性化に繋がる=授業中にペン回しをしてもいい という式は成り立ちません。なぜなら、ペン回しはやっている側からは理解しにくいかもしれませんが、視界に入った時に集中を削がれる・失敗した時の音がうるさいなど、周囲の人に対する迷惑になる場合があるからです。他人に迷惑をかけている時点で偉そうなことを言う権利はありません。
また、勉強においてもペン回しに集中してしまうようでは逆効果になることは明白です。大切なのは集中する対象をきちんと割り切ること。いくら脳の活性化になると言っても、勉強する行為そのものの弊害になっていては元も子もありません。ついペン回しに意識が逸れてしまう方はそれこそFidget toyを購入してみてはいかがでしょうか?
以上ペン回しと勉強に関する考察でした。ペンフィールドのホムンクルスなど、資料が手に入ればもう少し拡げてちゃんとした論文にしてみようかなと思っています。
気になるところがあればコメントをお待ちしております。